デリーから東京に戻る機内で、原田未来さんの新著『越境人材 ― 個人の葛藤、組織の揺らぎを変革の力に変える』を読み終えました。
「会社を辞めずに、外を見たかった」という原田さんの原体験をベースに、「越境とは何か?」、そして「越境を通じて個人が成長し、組織がそれを活かすにはどうしたら良いか」が一つ一つ丁寧に書かれていて、僕自身、いろんな思いを抱きながら読み進めました。
ありきたりになりますが、一言で言うと、すごく良い本でした!
そして、自分の過去の「越境」を振り返る良い機会にもなりました。(原田さん、ありがとうございます)
僕自身は自分のことをかなり激情型だと理解しています。良い意味でも悪い意味でも感情に任せて行動してしまうので、それが良い方向になることもあれば、良くない方向になることもあって、様々な「越境」をしてきたこともおそらくそこがベースになっているんだろうと思います。
インドで事業を立ち上げることにしたキッカケは、大先輩に言われた、「グローバルで活躍したこともないくせに、グローバルで活躍する人を育成する?ふざけるな!」という言葉に激しく反応した(ムカついた)結果だったというのは知る人は知る話ですし、40代後半にスペインの大学院に行くことにしたのは、25年以上抱えてきたどうしてもなくならないコンプレックスという感情でした。
それだけ書くと、ポジティブじゃない感情の方が自分を突き動かしてきた気がしますが、感情のままにいろんな越境をしてきました。
結果的に「越境学習」と呼ばれる領域に辿り着き、自分がやってきたこととやりたいことが一致した仕事ができているのは、本当にラッキーでした。
本書の話に戻りますが、これはちゃんとしている原田さんによるちゃんとした本ですね。アカデミックにきちんと整理して「越境学習」を解説している教科書のよう。僕には絶対に書けません。
そして、、、改めてですが、原田さんが立ち上げた「レンタル移籍」、いいですね!
ローンディール創業時、最初にアイデアを聞いた時、事業として大きくしていくのは難しいのではないかと思ったのですが、多くの企業に導入され、レンタル移籍経験者が社内で新しい事業を立ち上げたり、周りに影響を与えているのは本当に素晴らしいなーと思います。
同じ越境学習でも、短期間で一気に「マインドセットを鍛えること」にフォーカスしている弊社スパイスアップ・ジャパンの研修と、半年間程度の一定期間を主にベンチャー企業の事業に参画するレンタル移籍ではもちろん違いはありますが、「リスクを考えてしまい、一歩踏み出すことができない」という人に機会を提供する点は同じですし、越境したことで得た経験が企業に戻って活きるという点も同じです。
その意味で共感ポイントに溢れる本でした。
受講生たちの言葉もたくさん載っていましたが、それも僕の研修で受講生たちが書いてくれる言葉と重なるところがあって、やっぱり「越境」はいいものだなーと改めて思えた読書になりました。
Keiichi Toyoda Official Website
株式会社スパイスアップ・ジャパン(代表取締役)/神田外語大学(客員教授)/上智大学(非常勤講師)/NPO留学協会(副理事長)/グローバル人材育成/海外"殻破り"研修/ポジティブ・リーダーシップ研修/マインドセット研修/アルゼンチン育ち/上智大学卒業/IE University(スペイン)卒業/合気道(三段)/翡翠流抜刀術(四段)/著書『Mushin』など全20冊
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