“西洋の敗北”は今や確実なものになっている!?

イギリスは無気力国家どころか破滅しかけている。
アメリカはもはやいかなる分野においても信頼できるリーダーではない。
フランスは自国が大国であり続けているという錯覚に囚われている。

“西洋の敗北” は今や確実なものになっているという、歴史学者エマニュエル・トッド氏による『西洋の敗北 〜 日本と世界に何が起きるのか』を読了!

正直、僕には難しくて、何度も読み進めては止めて、他の読みやすい本や漫画を読んだりしていましたが、ようやく読み終えました。

邦題「西洋の敗北」から考えると、その逆は「東洋の勝利」なのか?と言ったら、そういうわけではなく、しかも、日本はドイツ以上に西洋(自由主義の伝統は持たないが近代的な西洋)に属しており、日本もまた危機に属しているということでした。まぁ実際、国際情勢において、単純な勝利・敗北というのがあるとは思っていませんが。。

とは言え、日本の話題はそれほど多くなく、ウクライナとロシアの情勢に対応する西洋諸国の状況に言及しながら、ロシアは西洋社会が考えていたほど脆弱ではなかったという趣旨の記述から話は始まります。世界をどう見るか?は、どの視点から見るか?どのような情報ソースから見るか?で違ってきますね。

ちなみに著者は「世界の親族システム研究」を半世紀に渡って蓄積してきたそうで、そこからの視点が面白かったというか、なるほど、、、と思わされました。そして、そこからも「西洋の敗北」は明らかだと。。

色々とぶった斬っている著者ですが、「高等教育を受けた人々の高額の収入は、弁護士、銀行家、その他多くの見せかけの第三次産業従業者が優れた略奪者として群れをなしていること」と、弁護士や銀行家、第三次産業従業者を非生産的で略奪的な能力主義者と書いましたが、もしかして俺(第三次産業従業者)も含まれるのかな???と思ったりして。

ただ、広義では第三次産業従業者かもしれませんが、本書が批判しているのは「単なるカネや権力の移動・搾取を目的にした仕事」なので、狭義には含まれないかもしれません。まぁ、どちらでもいいんですけど。

結局、本書をどう読み解いて、今後私たち日本人はどうしたらいいんだろうか?ということだと思いますが、何も考えずに(狭義の)西洋への追随をやめるべきということと、日本の文化や歴史に根差した独自のポジショニングが必要だと捉えました。

実際、スペインの大学院 IE(リーダーシップ専攻)で1年半学びながら感じたことは、「疲弊している西洋のビジネスリーダーたちが東洋(の知恵)にヒントを求めようとしている」というものでしたから、僕がもっと考えるべきはそのあたりなのでしょうね。

もちろん、西洋と東洋という括りも大き過ぎますし、広義では日本も西洋なので、そこは単純に区別も区分けもできませんけど、でも、日本人なので「日本的な何か」で世界に貢献するということは考えたいです。

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Keiichi Toyoda Official Website

スパイスアップ・ジャパン(代表取締役)/神田外語大学(客員教授)/上智大学(非常勤講師)/レインボータウンFM(ラジオパーソナリティ)/NPO留学協会(副理事長)/グローバル人材育成/海外"殻破り"研修/ポジティブリーダーシップ/変革マインドセット/アルゼンチン育ち/上智大学卒業/IE University(スペイン)卒業/合気道/翡翠流抜刀術/著書『人生を変える単純なスキル』など全19冊