「いま、拠って立つべき"日本の精神" 武士道」を読了

10年くらい前に別の翻訳者の「武士道」を読んだ記録があったんだけど、すっかり忘れてしまっているので、今度はこれを読んでみました。

「武士道の源」として、仏教、神道、儒教の3つをあげていましたが、仏教が武士道に与えたものは「危難や惨禍に際して、常に心を平静に保つことであり、生に執着せず、死と親しむこと」であり、そこに行き着くための方法は座禅と瞑想であったと・・。つまりそれは、現代のストレス社会において、マインドフルネス瞑想などで心の平静を得ようとすることにも重なります。

また、茶の湯にも触れられており、「茶の湯の基本である心の平静さ、感情の静謐さ、立居振る舞いの落ち着きと優雅さは、正しき思案とまっとうな感情の第一要件である」と、千利休によって考案された茶の湯は遊戯や礼法以上のものであり、精神修養の実践なのであるという解説がありました。

今、合気道や抜刀術、剣術、茶道の稽古をしていることが、いずれ武士道精神の体現に繋がって欲しいなーとひそかに思っています。

また、「改めて言うまでもなく、人間の活力をもたらすものは精神力である。精神がなければ最良の装備もほとんど役に立たないし、最新式の銃も大砲もひとりでには発射しないのだ。近代的な教育制度といっても臆病者を英雄にすることはできないのだ。」と書かれていたところ。これは僕らがグローバル人材育成(の研修)において、スキルや知識、語学力ではなく、マインドセット(向き合い方、心の持ちよう、あるいは本書で言うところの精神力とも言えるはず)にフォーカスしているところにも通じると思いながら読んでいました。もちろん、スキルや知識、そして語学力はある程度のレベルでなければ仕事そのものもできないだろうけど、その一方でそれらが十分にあっても、マインドセットが低いことで成果や結果に繋がらないというのは、ここに書かれていることに近いなー!

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Keiichi Toyoda Official Website

スパイスアップ・ジャパン(代表取締役)/神田外語大学(客員教授)/上智大学(非常勤講師)/レインボータウンFM(ラジオパーソナリティ)/NPO留学協会(副理事長)/グローバル人材育成/海外"殻破り"研修/ポジティブリーダーシップ/変革マインドセット/アルゼンチン育ち/上智大学卒業/IE University(スペイン)卒業/合気道/翡翠流抜刀術/著書『人生を変える単純なスキル』など全19冊